読売新聞に紹介されました


「典子は、今」
公開から26年ぶりにDVD化



石川大君を抱き、話しかける白井さん
(10月6日、熊本市の白井さん方で)

 サリドマイド児の日常を描いたドキュメンタリー映画「典子は、今」(1981年、松山善三監督)が、劇場公開から26年を経て、初めてDVD化されることになった。

 主演した白井のり子さん(45)(熊本市)は昨年3月、熊本市役所を退職、全国で講演を行っており、「映画をもう一度見たい」と要望が相次いでいた。白井さんは「家族で見ていただき、障害や差別、薬害のことなどを話し合う機会にしてもらえれば」と話している。

 白井さんは、サリドマイド薬害の影響で、両腕に障害を持って生まれた。熊本市役所勤務時に映画に出演、多くの人の感動を呼んだ。昨年から講演活動に専念している。

 講演を始めてから白井さんの事務所に、「子供のころ映画を見たが、母となった今、もう一度、子供と一緒に見たい」「ビデオかDVDはあるのか」という問い合わせが毎日のように寄せられた。

 事務所で調べたところ、ビデオは絶版になっており、レンタルビデオ店でもほとんど在庫がないことが分かった。このため、版権を持つ映画会社にDVD化を打診。今年9月、紀伊国屋書店(東京)から販売されることが決まった。

 DVDには、最近の白井さんの活動を写した「フォトギャラリー」も収録している。発売は今月22日から。定価3360円(税込み)。12月8日午後1時半から、紀伊国屋サザンシアター(03・5361・3321)で上映会と講演会も開かれる。DVDの先行予約は、白井さんの事務所スマイルビー(050・8080・5467)へ。



DVD「典子は、今」のパッケージ
((c)高橋松男事務所、シバタフィルム
プロモーション、撮影・立木義浩)

 ◆網走の障害児とも交流

 これまで全国で200回以上の講演を行ってきた白井さん。参加者との心の交流で、白井さん自身も元気づけられているという。

 「僕も両腕に障害があります。でも(白井さんを)テレビで見ていたら、頑張れるのかなと思いました」。北海道網走市の石川大君(3)の両親から初めてメールが来たのは昨年4月。メールのやりとりが続き、今年1月、網走での講演で対面を果たした。

 大君は、両腕と心臓に障害を持って生まれた。生後間もなく、脳にも障害があることが分かり、手術を繰り返した。だが、懸命にリハビリを続け、満面の笑みで白井さんと対面した。

 「のり子さんの映画を見ていたので、この子が生まれた時、悲しさはなかった。のり子さんのように、『強く育てよう』と思ったんです」。母、忍さん(33)の言葉に、白井さんは「映画に出て、本当によかった」と心から思ったという。

 大君との交流の様子は、発売されるDVDのフォトギャラリーで紹介。白井さんは「講演を通じて、素晴らしい出会いがあった。逆に勇気づけられることも多かった。これからも、交流の輪を広げていきたい」と話している。

(2007年11月18日  読売新聞)


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